新品アイテムは元ネタだらけ?見つけられると、あなたは古着のプロフェッショナル!
こんにちは、くまじゅんです。
古着の知識が身についてくると、ファッションブランドの商品を見てたら「これ、元ネタあれじゃね?」と思うアイテムがめちゃくちゃある事に気づきます。
実は、今現代ファッションアイテムはほとんどが元ネタ・サンプリングによって出来ているんです。
僕はメンズなのでウィメンズファッションに疎いですが、メンズファッションはあと20年ほどで進化が無くなると言われています。
それは、なぜか....
簡単です、世に出尽くされているからです。
基本的に、メンズファッションはこの4つによって構成されています。
・ドレス ( スーツなどですね )
・ワーク ( 作業着、ジーンズもそうです)
・スポーツ ( ジャージ、スニーカーなど )
・ミリタリー ( まさに軍服、コートもそうです)
これらの中で生まれたものが、サンプリングされてファッションアイテムのデザイン・ディテールとして世に登場しているんです。
4つのジャンルからなら、出尽くされてる意味もわかりますよね。
今回は、古着の代表的な元ネタについてお話ししようかと思います。
・ミリタリーウエアライナー
(ミリタリー)
2016年秋冬からウィメンズブランドを中心に一斉に流行り出したアイテムが、ミリタリーライナーコートです。
ナイロン地にキルティングステッチの入ったもので、今でも店頭に並んでるのが見られます。
AWは、ミリタリーコートとなど落ち着いた色合いが着まわしやすいので人気ですが、ノーカラーで重ね着しやすい、そして軽いので重宝されたのかなと推測してます。
ユニクロ・GUでもフツーに展開してますからねw
主に、ベースになっているのはスタートはアメリカ軍M-65をサンプリングしたアイテムが多か流通してました。
( ↑オリジナル M-65 ライナーです。)
その後に、スウェーデンM59のライナーをサンプリングしたアイテムが増えて来ましたね。
(↑スウェーデン軍 M59ライナーです。)
パタゴニアのレトロカーディガンからボア地が流行り始め、M59ライナーも裏ボア仕様なのでそこに着目したデザイナーが採用したのかと思います。
ライナーを使ってくるのは、よく考えたなぁ〜と感心したものです。
そのため、古着のライナーの価格が高騰したのはこの流行りが原因かとw
なんで、オリジナルのライナー買うのに万単位なんだよとヒヤヒヤしましたよw
あとは、流行りが落ち着くのを待って皆が手放した時に買うのがベストかと....。
・MA-1 (ミリタリー)
もう、正式名称もそのままなので完全にアウター名として定着している唯一のアイテムではないでしょうかw
実際に、アメリカ軍に納品していたアルファインダストリーズのMA-1が流行りみんな着ていた時もありましたね。
こちらも、ミリタリーから1950年代にU.S.AIRFORCE (アメリカ空軍) で採用されたフライトジャケットです。
( ↑アメリカ軍 MA-1 )
軍で使用される戦闘機が、プロペラ機からジェット機に代わりに高度や速度による気圧や気温の変化に対応できるように作られました。
座った状態で着用するので、着丈は短く当時としては珍しいナイロン素材を採用しています。
気づいている方はいるかと思いますが、裏地がオレンジになっているのってわかりますか?
あまりファッションアイテムでは取り入れないですが、これは機体の故障等により飛べなくなって着陸した際、MA-1を裏返しにして自分がいる目印としてオレンジになっています。
もし、山登りとか危険と隣り合わせの行動を取るときはMA-1を着ていきましょうw
・モッズコート (ミリタリー)
最早、冬物アイテムとして定着している人気アイテムの1つで聞き慣れてるかも多いと思います。
これは、1950〜60年代にアメリカ軍で採用されたM-51フィールドパーカー(通称フィッシュテールパーカー) を元ネタになったアイテムです。
ですが、なぜ "モッズコート" と言う名前なのか気になる方も多いと思います。
遡ること1950〜60年代にかけて、イギリスの不良 "モッズ" が愛用していたことが由来です。
彼らは、3ボタンに仕立てたモッズスーツを着こなしドレスアップしたスクーターの乗り、防寒そして洋服が汚れないようにM-51を愛用していました。
モッズコートと名前が定着したのはイギリスの不良スタイルからきているんですね。
・Pコート(ミリタリー)
このアイテムも名前が定着していますね。
冬場に見ないことはない人気のアウターです。
19世紀末 イギリス海軍で採用されたPコートは、後に他国の海軍の制服として多く採用されました。
「Pコート」の名前の由来は諸説ありますが、オランダ語で毛羽立った厚手の織物ラジャを意味する「pji」から来ている説があります。
(↑1940年代 アメリカ軍 Pコート)
特徴は、厳しい寒さに耐えれるような仕様になっており、立てて首元を温める大きな襟や手を温めるハンドポケット、身体に冷気が入らないように重ね織りの前立てなどの仕様になっているんです。
Pコートはデザインが完成されているので、ファッションアイテムでもあまり変わらないディテールになっていますね。
・リバーシブルTシャツ(ミリタリー)
コートやパーカーなど、ひっくり返すと色違いになるリバーシブル仕様の洋服。
今では当たり前になっているリバーシブルタイプのアイテムは、実はミリタリーが始まりとされているという事は知っていましたか?
(↑1940年代 アメリカ海軍 リバーシブルT )
元々、アメリカ海軍がスウェットのブランドでおなじみの「チャンピオン」に訓練用に敵味方の区別が出来るユニフォームの製作を依頼したことから始まっています。
1930年代なので、まだTシャツが生まれて間もない頃ですね。
・トレンチコート(ミリタリー)
トレンチコートは、大人のコートと品のあるアイテムとして定着しています。
着こなしている人を見たら上級者だなぁと僕は感じますね。
(↑バーバリー トレンチコート)
トレンチコートと言えば " Burberry(バーバリー)"と思う方も多いと思いますが、正に第一次世界大戦時にイギリス軍が納品を依頼したのがバーバリーで、その後ファッションアイテムとして広まりました。
(↑第一次世界大戦 イギリス兵士 )
トレンチコート=バーバリーが定着していったんですね。
・スウェット(スポーツ)
スウェットは、今や寝巻きの帝王という地位に君臨している寝具の代表ですね。
(↑チャンピオン リバースウィーブ)
元々、スポーツウェアはウール素材で作られており(所謂セーター)、肌が擦れたりなどの改善のためにアメリカのラッセル社が、厚手のコットン生地を採用したのがスウェットの起源です。
(↑1930年代 スウェットシャツ )
名前の通り、スウェット=汗を吸い伸縮性、防寒性に優れているスウェットは、スポーツウェアとして瞬く間に認知度を広めました。
・ジーンズ (ワーク)
クローゼットに絶対一本は入っているだろうアイテムで、逆に履いたことない人いる?と聞きたいくらいド定番ではないでしょうか。
(↑リーバイス 501 )
ジーンズも元々は作業着を起源にもつアイテムです。
1850年頃 アメリカカリフォルニア州で、金が取れるニュース(後のゴールドラッシュ)を機に全土から人が押し寄せました。
それを知ったジーンズの父 リーバイ・ストラウスは頑丈な生地で仕立てたジーンズを作ったことから大当たりし、ジーンズメーカーを立ち上げました。
それが、その後のLevi's(リーバイス)というブランドです。
一攫千金を目当てに金を掘るより、掘るためのスコップ売りが儲かった話のようで目利きが鋭かったのでしょねw
いかがでしたでしょうか?
ご覧いただいた通り、実はサンプリングされているアイテムは全て古着に通ずることがご理解頂けたと思います。
特に、ミリタリー率多くないですか?
全ては、実用的・機能性に優れたデザインを採用していてそれが現代ファッションにも適用している完成されたアイテムだという事も感じて頂けると思います。
それだけ、古着からルーツを辿ることも出来ますし現代ファッションを作る人たちも古着にインスパイアされ、デザインに落とし込んでいるんですね。
それを知ると、オリジナルがほしくなりますよね?、となるんですw
皆さんも、街中で元ネタ探してみてください。
次のブームも、古着のアイテムから登場するかもしれませんよ?
それでは、したっけね!